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(二六) 堤塘石組

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 上地・米川の二ケ所に自然石をそのまま利用築立した、堤防石組がある。これは明治三十五年七月七日下松地方に未曽有の大水害があり、その対策として堅牢な堤塘が野面石組によって築造されたものである。

末武上地堤塘石組


米川堤塘石組

 上地の堤塘は、末武村会議事決議事項報告によると堤防修繕工事とされるから、それ以前堤防は存在していたことが明らかであるが、どのような構築であったかは分からない。さて修繕工事は、同村議事決議事項・継堤第十九号(一部抜粋)に
一、末武川筋堤防修繕工事二ケ年継続此の工費総額金八六八四円六五銭五厘
とされ正確な内容を伺うことが出来る。
 (尚右の一件については『下松地方史研究』第二十五輯・昭和六十三年内山要氏の発表を参照されたい)
 百年近くたった今日破損箇所のない堤塘の姿に驚いている。右の議事録を次頁に掲載しよう。