通称高の倉の森(杜)字谷一四二七番地(山林番)に約十坪、高さ約一・五mの小丘がある。ここには基礎石幅六三cm、同奥行四〇cm、地上高六三cmの小さな祠堂が置かれている。久しく放置され、神職による祭祀は行われていないが、水利の神として土地の農事に関し、稲作の成就を願ったものという。用水路開発時のものか否かは判然としないが、水路の運用、信仰を知る上で重要である。途中には五、六〇度の傾斜地の岩間を細長く切開いた処もある。勧請して豊富な水量を願ったものであろう。
天候は百姓の英知の及ばぬところである。貴重な民間信仰であるが、水利様の具体的祭祀の方法は判らない。
通称高の倉の杜(水利さま・石祠がひっそりと佇んでいる)