
検地帳では岩崎と称せられていた森崎山も山頂・斜面が削られてこのように変貌している。
即ち切戸川の切は開墾・新開の意であり、戸は沼地などの水流口の意であるところから、切戸川は湿地帯を新開した際の名稱と考える説がある。(『下松地方史研究』第十六輯他宝城興仁)
勿論水流(路)や、湿地帯は開発に先だつ存在であり、新開とは田畠・堤防等の構築を称しているのであろう。このように開作にともなう地名が、のち河川名に転じたとすれば、むしろキリト(切戸)と呼ぶ方が妥当のようでもある。
(註一)古川方面へ流下した川は、切戸川ではなく寺迫川であることは先の章で述べた通りである。