(2)勅使、秦ノ川勝の出迎え

25 ~ 26 / 115ページ
 時に、大和の勅使秦(ハタ)ノ川勝によって、吉敷郡問(トヒ)田ノ村に仮りの王宮を建立し、琳聖太子のもてなしの準備がなされた。
 秦ノ川勝すなわち秦造川勝は聖徳太子が大変寵愛していた人物であり、百済国からの帰化人であった。
 後、聖徳太子の助力で、冠位十二位階の第三位大任(ダイニン)の位を、飛鳥寺の本尊を造った百済の帰化人鞍作首鳥(くらつくりおびとり)とともに拝授、大和朝廷の貴族に列するようになった。
 大星降臨の時、坐人につげられたとおり、百済の王子の来朝を聞き、百済国の帰化人秦造川勝を迎えの勅使とされた。
 はたせるかな、推古五年三月二日、予言どおり、琳聖太子が着船されたので、秦造川勝は驚き、我らが百済の王子の来朝を心より喜こんだ。