冠位十二階は琳聖太子が特に力を入れて聖徳太子に協力された。
冠位十二階とは大徳・小徳・大仁・小仁・大礼・小礼・大信・小信・大義・小義・大智・小智の十二種からなる位階である。
この名称は、儒教の最高の徳目である徳をはじめにおき、人のおこなうべき五つの道、仁・義・礼・智・信の五常を加えて六つとして、それぞれ大小にわけて十二にした。
冠位は天皇が、朝廷や、地方の豪族・官人にさずける身分の標識であるから、同じ性質をもつ姓(かばね)と比較して、その特色を知ることができる。
すなわち姓は氏にさずけるもので、氏の長に臣(おみ)とか連(むらじ)をさずけると、すくなくとも一定範囲の氏族員はみなその姓を称し、かつそれは世襲とされた。
したがって姓は、世襲的・族制的な性質のものである。
これに反して冠位は個人にさずけるもので、同一の氏(うじ)でも、王権に対する忠誠の度合いによって、ちがった冠位をさずけられ、同一人でも、その功労がかさなれば、より高い冠位をさずけられる。
族制的な秩序のもとでは低い身分のものでも高い冠位がさずけられた。
現代にも通ずる新しい側面をつくりあげた。