きのこ農家


 農家では、農作物をおいしく、たくさんつくるために、どのような仕事をしているのでしょうか。


 給食の放送で、下松産のしいたけを使っているって言ってたね。

 下松市の北東、大藤谷(おおふじだに)には、きのこをつくっている下松特用林産(とくようりんさん)があります。ここでは、しいたけ、えりんぎ、ひらたけ、まいたけの4種類のきのこをさいばいしています。

 それぞれ、どのきのこか分かるかな?
1 しいたけ 2 ひらたけ 3 えりんぎ 4 まいたけ


 木を使う「原木さいばい1」は、自然のそのままの力を使って育てるやり方です。しかし、重たい木を使うため、作業がたいへんで、たくさんのきのこをつくることがむずかしくなります。
 ここでは、「菌床さいばい2」というやり方できのこをつくっています。この方法でつくるにはせんようの建物を建てたり、エアコンを使ったりするためにお金がかかります。しかし、1年を通して、安定してきのこをたくさんつくることができます。
ことば
1 原木さいばい
  木にちょくせつ「菌」を打ちこむ方法。より自然に近いやり方だが、生のきのこをたくさんつくるのはむずかしい。
2 菌床さいばい
  ポットにおがくずなどをまぜて、温度や湿度をかんりして育てるやり方。せんようのきかいがいるが、たくさんつくることができる。

建物の場所と様子

 しいたけは、どのようにしてつくられているのでしょうか。

 いちばん多くつくられている「しいたけ」について調べてみよう。


 木をけずったおがくずと、ふすまというえいようになるものをきかいでまぜ合わせます。それをポットにつめ、上にはあなをあけておきます。
きのこのもとになる「菌」


 100度のかまの中に、ポットをならべて、4時間入れておきます。(殺菌)
 その後、きかいを使って、しいたけのもととなる菌を、あなの中に入れこみます。(接種)

 培養とは、人の力で菌を育てることです。ポットをつみ上げて、エアコンで20度にせっていした部屋に1か月おきます。
 その後、エアコンがない部屋にいどうさせ、山のすずしい風にあてながら2か月おきます。そうすることで、ポットの中にしいたけの菌がしっかり育つのです。

 ポットの中の様子がかわっているね。


 ポットからぬき取って、ならべて水あらいをします。中はしっかりかたまり、かたくなっています。ここからしいたけが生えてきます。
 たった数日でこんなに出てくるんだね!


 14~16度の部屋にならべておいておくと、しいたけが生えてきます。大きくて上の部分が平らになったものから、はさみで根元を切ります。

 空気をかけてよごれをとばしてきれいにします。パックつめをして商品シールをはり、箱につめます。
きのこ農家の人の話
 できるかぎり自然の力を利用して、たくさんのきのこを1年中つくっています。小学生のみなさんにおいしいきのこを味わってほしいと思います。