くだまる ものしりコーナー~防災を考える~


くだまる ものしりコーナー ~防災を考える~


 2011年(平成23年)、1,000年に1度といわれる巨大な地震と、10メートルをこえる津波が東日本をおそいました。
 このとき下松には直接のひ害はありませんでしたが、今後、同じような巨大な地震や津波が近くで起こる可能性もあり、そんなときどうすれば生きのびることができるのか人々は考えました。
 海面からの高さが約1メートルしかない洲鼻(すばな)(豊井のはしの地いき)の人々は、万一にそなえ、近くの山に登ってひなんできるよう、ちょう上までの道の整び1をしました。また、どれくらいの時間でひなんできるのか、全住民でのぼって時間を計ったり、定期的に訓練をしたりしています。防災のための研修会にでかけていくなど、他にもいろいろな活動を行っています。
ことば
1 道の整び
  道の整びは、「洲鼻自主防災会」の人が行った。この会は、東日本大震災をきっかけに洲鼻自治会の人々がつくった防災のための組織。

これまでの下松の水の被害
 1955年(昭和30年)9月、台風22号による高潮により、日立・恋ヶ浜の護岸がくずれ、工場も水につかった。

 1970年(昭和45年)8月、台風10号の高潮により、同じく日立・恋ヶ浜がひ害を受けた。

 2004年(平成16年)8月、台風18号の高潮により、笠戸島の松寿苑(しょうじゅえん)が水につかるひ害を受けた。

 2018年(平成30年)7月、1時間に86ミリメートルもふった豪雨により、市内各所が水につかった。

左: 木におおわれていた、以前の桂木山(高さ約55m)
右: 洲鼻の住民全員で整備して見晴らしがよくなった今の桂木山(かつらぎさん)。ちょう上に行くとちゅうに第一次ひなん場所となる広場もつくられた。

 津波や高潮以外にも、最近では短い時間に多くの雨がふる集中豪雨が全国的にも多くなり、下松でも「平成30年7月豪雨」によって多くの土地が水につかりました。山の近くでは土砂崩れも起こりました。
 これからも、予想もできない自然災害がわたしたちの身近で起こるかもしれません。それにそなえ、わたしたちはつねに身を守る方法を考え、くらしを守る工夫をしていかなければなりません。
 なやんだ低い土地の人々は、何度も市に「雨水調整池」の建設を求めました。そして雨水調整池の数がふえていきました。
 よりよいくらしのために声を上げるのは、とても大切なことです。
豪雨にそなえ、平成28年に完成した、恋ヶ浜雨水調整池1

ことば
1 雨水調整池
  大量に降った雨が小さな川に全部流れこむと、川があふれてしまうので、雨水をためることができるように川のそばにつくられた広い池。

 自分たちの命を守るために、「自助・共助・公助」という考え方があるよ。「自助」は災害時に自分自身の命は自分で守るということ、「共助」は地いきのみんなが力をあわせるということ、「公助」は個人や地域だけでは解決できない問題を市などで解決することをいうんだよ。これらは「三助」といわれ、どれか一つだけあればよいのではなく、全てが大切と考えられるんだ。

 広い池が川のそばにあると、小さな川はあふれにくくなるね。