後記

 昭和六十二年よりスタートした「多摩市史編さん事業」は、各編さん委員及び編集委員の皆様をはじめ、多くの方々のご尽力により、作業を進めてまいりました。そして、この度待望の『多摩市史 通史編一 自然環境、植物、動物、原始および古代、中世、近世』を刊行することができました。
 本編は、自然環境を新井鎮久、植物・動物を畔上能力、原始を吉田恵二、古代を笹山晴生、中世を福田榮次郎(多摩市史監修者)、近世の社会・経済を安澤秀一、文化を比留間一郎、寺社を佐伯弘次の各編集委員、並びに執筆者、調査員の方々のご尽力によりまとめられたものであります。
 この間、野外での観察や測量をはじめ発掘調査、悉皆(しっかい)調査、史料・文献調査そして整理・研究にと、専門調査員をはじめとする多数の皆様の熱意溢(あふ)れるご努力があったことは言うまでもありません。
 『多摩市史』は、通史編二巻、民俗編一巻、資料編四巻の計七巻の刊行を予定し、既に資料編を三巻(四冊)刊行しております。あわせて、多摩市史叢書、多摩市史年報『ふるさと多摩』も刊行しております。これらの刊行により市民の皆様に「郷土多摩」を知っていただき、歴史文化の研究と新たな文化の創造をめざし、「ふるさととして誇れるまち多摩」のまちづくりを進めていければと思っております。
 最後に、本通史編一の発行にあたり、関係者の皆様のご苦労・ご協力に対し、深く感謝を申し上げますとともに、市史編さん事業当初より永年にわたり、多大なご貢献を賜り、幾多のご功績を残されました、動物担当の金井郁夫編集委員が平成六年十月に、近世文化担当の比留間一郎編集委員が本編の刊行を目前とした平成九年二月五日にご逝去されました。ここに、心からご冥福をお祈り申し上げます。
 
 平成九年三月
多摩市史編さん室