図1―12 御殿峠礫層の粒径分布
聖ケ丘(調査地点は図1―3を参照)の露頭から粒径5mm以上の礫を対象に分析。
市域で得られたボーリング資料に基づくと、市南部の南鶴牧小学校(図1―10・1)では、連光寺層の砂質部を不整合に切る御殿峠礫層中部が認められる。礫層は凝灰質粘土を主体とする層厚二メートルの薄層で、下限はおよそ標高一三二メートルを示す。礫は砂岩や凝灰岩などからなり、最大礫径一〇〇ミリメートルを記録する。この上位には、層厚約四メートルの礫混じりの粘土質ロームが堆積する。ここに含まれる礫は、五~一五ミリメートルの円礫~角礫で不規則に混入する。また、北落合小学校(図1―10・4)では、御殿峠礫層上部が連光寺層の泥質部(固結シルト)を切って発達する。礫層は層厚およそ六メートルの暗茶褐灰色のシルト混じり砂礫層であり、下限は標高約一一三メートルを示す。礫は三〇~一〇〇ミリメートル、最大二五〇ミリメートルの円礫であるが、上部ほど礫の粘土化が激しい。また、聖ケ丘小学校(図1―10・3)では、細砂やところによって泥層を挟在する層厚六メートルの砂礫層となって、標高一一三メートルを下限として発達する。礫層は下位のものが一・五~四メートルと厚く、上位のものは一メートル以下と薄い。礫径は一〇~三〇ミリメートルを主体とするが、所々に礫径五〇ミリメートルの礫を混入する。上下の礫層の間にはさまれる砂層は、層厚二メートル程度、上位に泥層をのせる場合、その層厚はおよそ二メートルである。