図1―14 連光寺層を切る段丘礫層
(殿田橋近傍)
高位段丘を構成するのは、武蔵野礫層相当の段丘礫層とその上位に乗る武蔵野ローム層および立川ローム層である。市域の段丘礫層は、礫径五~七〇ミリメートルの円礫ないし亜円礫からなる、層厚一~三メートル程度の砂礫層となって発達している(図1―5)。ボーリング資料によると、和田(図1―10・6)では連光寺層の泥質部(暗青灰色の固結したシルト)を切って、標高六六メートルを下限とする層厚二・三メートルの礫層として発達する。礫層は五~四〇ミリメートルの亜円礫からなり、直上には層厚一・二メートルの褐灰色の細砂層を乗せる。細砂層の上位には、武蔵野ローム層に相当すると考えられる凝灰質粘土層や粘土質ローム層などが堆積し、上位の立川ローム層と合わせるとローム層の厚さはおよそ六メートルを示す。また、東寺方住宅(図1―10・7)では、連光寺層の砂質部を切って、標高六三メートルを下限とする層厚〇・五~一メートルの礫層となっている。礫層は径五~七〇ミリメートルの円礫からなり、所々に粘土を混じえる。礫層の直上には、中砂からなる層厚一メートル弱の砂層が乗り、その上位に凝灰質粘土層、ローム層などが順に重なって、厚さは四~六メートルを示す。市立総合体育館(図1―10・8)でも、連光寺層の砂質部を不整合に切って砂礫層が発達する。砂礫層は礫径三~四〇ミリメートルの角礫ないしは亜角礫を主体とし、層厚一・七メートル前後である。砂礫層の上位には、黄灰色を呈する層厚二~三メートルの粘土層またはローム質粘土層が乗り、さらに上位には最大二メートルのローム層が重なっている。