多摩川は立川段丘面を形成した後、この地域の地盤が相対的に上昇したことによって、立川段丘と多摩丘陵の間を強く侵食しはじめたが、しばらくすると地盤が低下し、多摩川の侵食力は弱くなり、立川段丘と多摩丘陵との間に土砂を堆積することになった。こうして多摩川の谷底平野が形成された。古い多摩川は水量が豊富で、しばしば洪水をもたらした。このとき、谷底平野は氾濫源となり、多摩川の河道は一定しなかった。不安定な流路は網目状流路となり、谷底平野に特異な微地形を出現させ、網目状流路の近くに粗粒質の土壌を、流路から遠ざかると細粒質の土壌を分布させた。こうして、多摩川沖積低地には細粒質から粗粒質の土壌が連続的に存在することになり、土層の厚さも不規則に変化している。