気温の変化

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多摩市の最暖月(八月)の最高気温の平均値は二四・九度C、最寒月(一月)の最低気温の平均値(ともに昭和五十一~六十年)は二・八度Cである。ケッペンの気候地域分類(Köppen一九一八)では多摩市は最寒月平均気温マイナス三度C以上であるから、むろん[温帯C]に含まれる。また吉良(一九四八)の暖かさの指数でいえば一〇八・三度C月で照葉樹林帯に位置する。各月の一〇年間の平均気温を表に示す(表1―5)。
表1―5 多摩市月別平均気温(昭和51~昭和60年)単位:℃
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平均
2.8 3.7 7.1 12.8 17.1 20.3 23.5 24.9 21.0 15.7 10.4 5.5 13.7

表1―6 多摩市月別平均降水量(昭和62~平成3年)単位:mm
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計
45.2 82.7 139.4 111.7 99.5 174.6 148.6 282.6 345.6 220.7 113.4 39.2 1803.2

 気温がそれぞれの季節に、どのように日変化するかを知ることは、(例えば熱帯では年変化よりも日変化が大きいというように)当地の気温変化の緯度的な地域性を示すことになる。多摩市における各季節の気温の日変化は図に示すとおりである(図1―29)。一月には気温の日較差が大きく(七・七度C)、午前中の気温上昇開始時刻が早い(午前六時以後)。すなわち、冬には暖かい昼の時間が短く、日没から明け方までかなり冷え込みが厳しい。一方、夏は夜間になってもあまり気温が下がらず、日較差が小さいと言える。七月には気温の日較差は小さく(五・五度C)気温の日変化は時刻を追ってゆるやかに変化する。また春と秋を比較すると、四月は十月よりかなり気温は低めだが、朝の早い時刻から気温が上昇し始める。

図1―29 多摩市の四季の気温の時刻変化(各季節の時刻別平均値)

 次に気温の経年変化について述べる。気温の経年変化に関しては得られた記録期間は短いが、昭和五十一年(一九七六)~六十年(一九八五)の一〇年間について述べる(図1―30)。年平均気温は若干降温傾向にある(マイナス〇・五度C/一〇年)。七月の最高気温については年によってバラつきが大きいが、一月の最低気温については降温傾向にある(マイナス一・〇度C/一〇年)(図1―31)。

図1―30 平均気温の経年変化


図1―31 最高、最低気温の経年変化