1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 平均 |
61 | 62 | 65 | 67 | 70 | 77 | 80 | 80 | 81 | 75 | 70 | 66 | 71 |
図1―46 多摩、東京、熊谷、横浜の月別湿度(昭和62~平成3年)
各地の年平均相対湿度はそれぞれ東京六三パーセント、熊谷六六パーセント、横浜六八パーセントである。都市化の著しい東京が最も湿度が低く、多摩が最も湿度が高い。相対湿度の経年変化は各地とも小さく、ほぼ毎年類似の値を示す。昭和六十二~平成三年までの各月の平均値を比較する。春から梅雨の季節にかけて横浜の湿度は多摩の湿度に近くなり、一方この時期、熊谷の湿度はむしろ東京の値に近くなる。十二月から一月にかけての多摩の相対湿度は、他の地点に比較して若干高めとなっている。多摩の冬季の湿度が高い理由はいくつか考えられる。第一に前述のごとく相対湿度は気温と逆相関となる傾向がある。多摩の冬季の気温は他の地点に比べて低いので飽和水蒸気圧は小さくなり、相対湿度は高くなる傾向にある。第二は多摩市の周辺の山地や丘陵地、その地表を被う植生などからの蒸発散が多いと考えられる。第三は望ましくないことではあるが機器の違いによる測定上の違いである。多摩における湿度測定の機器は毛髪湿度計であり、他の地点の機器は気象庁の隔測温湿度計によって観測されている。