被圧地下水は、砂礫~礫層部分に帯水するが、その上下を粘土層などの不透水性あるいは難透水性の地層によって制限されているため、圧力の高い方から低い方へ移動して、不圧地下水のように地表の形態に直接支配されない。むしろ地層や地質構造、さらに透水性などに大きく左右されて存在している。また、被圧地下水の水位や水量の変動状況は雨水などの水文条件にも関係するが、被圧地下水の揚水に対応してみられる場合が多い。多摩市域における被圧地下水の性状は現在のところ明確に知る資料に乏しく不明であるが、地質構造の点からは若干の検討もできる。すなわち市域の被圧地下水は丘陵地などの基盤を構成する上総層群の連光寺層(主に市西部地域)と稲城層(主に市東部地域)中の未固結で透水性の良い砂礫質や砂質に帯水していると考えられる。しかし、その被圧水頭面の位置や量的・質的な状況は不明である。一般的にみて丘陵地における被圧地下水の水資源的価値は、量的に必ずしも高いといえない状況にあることがうかがえる。