目次
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通史編1 自然環境 植物・動物 原始および古代 中世・近世
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第二編 植物
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第二章 植物相
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第二節 植物相
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2 分布上興味ある植物について
サイハイラン(ラン科)
164 ~ 165
生育環境はエビネと同様であるが、やや陰湿地を好む。葉もエビネに似て三脈が目立つが、ふつう一枚の場合が多い。偽球茎は卵形で横に連なる。花茎は高さ三〇~五〇センチメートルで直立し、五~六月、茎頂に二〇個ほどの花を総状につける。花被弁は淡緑色で紅紫色を帯び、細長く平開せず、下向きに咲く。山地には多いが、多摩丘陵ではもともと少なく、エビネほど目立たないが、開発によって生育環境そのものが激減し、かつ林床の乾燥化が進んでいることから現在では個体数はごく少ない(図2―20)。
図2―20 サイハイラン