ワニグチソウ(ユリ科)

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 山地や丘陵、ときに沖積低地の林下に生える多年草。根茎は横に這う。茎は高さ二〇~四〇センチメートル。葉は卵状長楕円形でやや先のほうが幅が広く、長さ五~一〇センチメートル、裏面はやや緑白色を帯びる。花期は五~六月。葉腋から花柄を出し、先に二枚の葉状苟がつき、その内側に二個の淡緑白色で筒状の花を下垂する。花筒は長さ二~三センチメートル、花糸の部分に粒状突起がある。高尾山地や多摩丘陵では生育地がやや少ないが、多摩市にはかつては比較的多く見られた。しかし現在では激減している(図2―40)。

図2―40 ワニグチソウ