コガネムシの仲間

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コガネムシの仲間も多くの種類が知られている。ビロウドコガネやアカビロウドコガネは、体長一センチメートル足らず、幼虫が土中の草の根を食べて育つ。夜、電灯の明りに飛来するものがよく観察される。クロコガネやオオクロコガネは、体長一五~二〇ミリメートル程度と大きく、習性は同様で、駅やアパートの明りに集まってきたものを見かける機会が多い。コフキコガネは、体長二五ミリメートルとさらに大きく、夏にクヌギやコナラの葉の上にいたり、電灯の明りに集まったものを見かける。体に淡い褐色の非常に細かな毛がびっしり生えており、あたかも粉をふいたように見えることから「粉噴き」の名がある。おなじみのカブトムシは、やはりコガネムシの仲間で、体長はコガネムシ類では最大級で四〇~五〇ミリメートルに達する(図3―27)。樹液に集まるが、腐った果物や竹の切り口が発酵したような場所にも集まることがある。マメコガネやコイチャコガネは、体長一〇ミリメートル程度、最も普通のコガネムシ類で、前者はマツヨイグサやノブドウに、後者はコナラやクリの葉を好んで食べる。セマダラコガネは体長一〇ミリメートル程度、電灯の明りによく集まるが、色彩の変化が大きく、薄茶の地色に黒のまだら模様があるものから、ほとんど真っ黒のものまでいて、一見別種の感がある。カナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリもコガネムシの仲間である。いずれも夏に樹液に集まるが、クロカナブンだけは八月に入ってから姿を現わす。コアオハナムグリ、アオハナムグリ、クロハナムグリは樹液には集まらず、ヒメジョオンなどの花に集まり、花粉を食べている。クロハナムグリは出会う機会が少ない。

図3―27 カブトムシ
(多摩丘陵 昭和58年8月4日)