多摩川の河原に行くと、地面が砂状の場所がある。こういった所の石の下にはスナゴミムシダマシがよく見られる。体長一センチメートル強、扁平な体をしており、背中はつやのない黒だが土が付着しやすいためか、土色に変化して見付けにくい。しかし数はすごく多い。雑木林の中で最も普通にいるゴミムシダマシの仲間としてはキマワリが挙げられる。こちらは体長二〇ミリメートル弱、銅色がかった黒色で、背中がこんもりしてつやがあり、はねに縦筋が入っているのが特徴である。木の幹にいることが多い。朽ちた木に多いオオクチキムシも多摩市内には普通に見られる。体長一五ミリメートル程度、つやのない黒色ではねに縦筋があり、脚は細長い。春から初夏にかけて、タンポポやヒメジョオンなどの花の上に青味がかった黒色で七ミリメートル程度の細長い虫がいたら、それは恐らくモモブトカミキリモドキである。この虫のオスは、名前のように後脚の股の部分が強く膨らんでいる(図3―30)。
図3―30 モモブトカミキリモドキ
(横浜市緑区 平成5年5月5日)