カミキリムシの仲間

240 ~ 241
カミキリムシも非常に多くの種類を含んでいる。多摩市周辺の雑木林を丹念に探せば、七〇~八〇種のカミキリムシが見つかると思う。オスのひげが鋸状をしたノコギリカミキリ、全身真っ黒でやや艶消しのクロカミキリ、全体が黄金色で、はねに黒の四本の筋があるヨツスジハナカミキリ、はねに生えた毛のねじれ具合でまだら模様に見えるキマダラヤマカミキリ、全身金緑色のミドリカミキリ、黒と茶と黄色の縞模様があるキスジトラカミキリ、全身赤色のベニカミキリなどなど、誠に多彩である。地味な種類もいっぱいいて、枯れ木に色がそっくりのナガゴマフカミキリ、カタジロゴマフカミキリ、トガリシロオビサビカミキリ、アトジロサビカミキリ、アトモンサビカミキリなどと、枚挙にいとまがないほどである。これら以外に、雑木林を代表するカミキリムシとしてシロスジカミキリを忘れるわけにはいかない(図3―31)。体長は五〇ミリメートルもあって、全体が灰色で、生きているときは、はねに黄白色の縦筋がある。クヌギやコナラの木に初夏から夏にかけて生息しているが、電灯の明かりにも飛んでくるので、思わぬ所で出会うチャンスもある。ほかにゴマダラカミキリ、キボシカミキリ、クワカミキリなどが普通種としてよく見かける種類である。

図3―31 シロスジカミキリ
(多摩丘陵 昭和52年7月)