ハルゼミの声

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セミは種類が少なく、我が国から三〇種ほど、多摩市からは七種が記録されているのみである。アブラゼミやヒグラシやツクツクボウシなど、普通種以外に特記しておきたいのがハルゼミである。章の初めに、雑木林の尾根にアカマツが生えると記したが、まさにそのアカマツの木にだけハルゼミが見られるのである。毎年五月になると、多摩市と神奈川県川崎市北部との県境の尾根道を歩くと、このセミの声を聞くことができる。もっとも、最近では聞く機会が減り、寂しい限りである。