ナナフシ

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次にナナフシ類を紹介したい。この仲間はさらに種類が少なく、三種が記録されたのみである。ナナフシモドキは、雑木林のへりや草むらにいて、成虫の体長が八五ミリメートルもあるが、じっとしていると小枝と見間違うようで、普通ならまず見落としてしまうほど見事な擬態をしている。一方トビナナフシは雑木林の中に多く、体長四〇ミリメートル程度、少しずんぐりしているが、やはりよほどその気にならないと見付からない昆虫である(図3―48)。この虫は名前のように、飛ぶというより滑空できる程度のはねがある。体は緑色であるが、後ろばねを広げると鮮やかなピンク色で、ハッとさせられる。

図3―48 トビナナフシ
(多摩丘陵 昭和52年9月11日)