旧石器時代の最終段階に、幅〇・五センチ、長さ二センチほどの小さな縦長剥片を主体とする石器群が現われる。多摩ニュータウンNo.七六九遺跡第一文化層がこれにあたる。
細石刃(さいせきじん)はそれ自身では道具になりえず、柄にはめ込まれて用いられる組合せ石器である。前段階の延長線上にあるとも考えられるが、小さな縦長剥片を連続して大量に作り上げる手法は異質なものであり、それを受け入れる基盤は用意されていたものの、他地域から伝播した手法であろう。
旧石器時代は細石刃文化を最後に終わりを告げ、土器を伴う縄文時代へと移行していく。