多摩ニュータウンNo.四六遺跡や和田・百草遺跡その他、中期を始めとする遺跡で石皿、石棒、凹石などの石材として利用された。灰緑色で板状に薄く剥離する石材で、中世には板碑材として多用された。この原産地は幾つかあるが、秩父荒川上流と考えられ、秩父・荒川ルートで運ばれてきたものであろう。
このほか、ごくわずかであるが、石鏃の原料として山梨県塩山市付近から水晶が運ばれている。千葉県銚子市周辺の琥珀(こはく)も多摩地域に入っており、立川市向郷(むかいごう)遺跡などから垂玉が出土している。多摩市内では古墳時代の副葬品にあるものの、縄文時代の発見例はない。