他地域から多摩市域に搬入された代表的土器には、早期末の東海地方の土器、前期後半の関西地方の北白川下層式土器、中期前半の東関東地方の阿玉台式土器、中期後半の東北地方の大木式土器、長野県・山梨県の曽利式土器、長野県伊那地方の唐草文土器などがあり、中期には各地方との交流が盛んであったことが窺える。特に、長野・山梨方面との結び付きは強く、土器のみでなく、作り手としての人も入って来たと考えられる。この逆に、多摩丘陵から武蔵野台地の多摩地域で中期後半の一時期流行した連弧文土器は、関東一円をはじめ遠く愛知県まで運ばれている。後期になると関西地方の中津式土器、晩期には東北地方の亀ケ岡式土器、東関東地方の前浦式土器などが入ってきている。