地域 | 所蔵者 | 刊本 | 写本 | 合計 | ||||||
近世 | 近代 | 不詳 | 小計 | 近世 | 近代 | 未詳 | 小計 | |||
一ノ宮 | 太田伊三郎 | 39 | 54 | 36 | 129 | 2 | 12 | 10 | 24 | 153 |
一ノ宮 | 山口正太郎 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
和田 | 石阪好文 | 5 | 7 | 3 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 |
和田 | 柚木健蔵 | 0 | 0 | 3 | 3 | 0 | 0 | 3 | 3 | 6 |
和田 | 柚木幹夫 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 |
落合 | 寺沢茂世 | 6 | 0 | 12 | 18 | 3 | 0 | 2 | 5 | 23 |
落合 | 峯岸虎夫 | 2 | 6 | 3 | 11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 11 |
貝取 | 市川篤一 | 0 | 16 | 5 | 21 | 0 | 0 | 0 | 0 | 21 |
貝取 | 浜田正喜 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 |
乞田 | 有山昭夫 | 4 | 3 | 2 | 9 | 1 | 0 | 0 | 1 | 10 |
乞田 | 佐伯信行 | 8 | 119 | 11 | 138 | 0 | 0 | 0 | 0 | 138 |
乞田 | 馬場一郎 | 0 | 32 | 2 | 34 | 0 | 0 | 0 | 0 | 34 |
寺方 | 伊野弘世 | 47 | 58 | 56 | 161 | 16 | 5 | 25 | 46 | 207 |
寺方 | 杉田卓三 | 50 | 119 | 65 | 234 | 19 | 0 | 5 | 24 | 258 |
連光寺 | 富澤政宏 | 153 | 548 | 85 | 786 | 46 | 0 | 2 | 48 | 834 |
合計 | 315 | 964 | 283 | 1562 | 87 | 19 | 47 | 153 | 1715 | |
表6―29では市域の資料所蔵家一五家を対象とし、各家に所蔵されていた書籍を刊本と写本とに分けて年代別に集計した。各家に残された蔵書には、江戸時代に出版されたものであっても明治以降に購入されたものも多分に含まれると思われるが、この点については、書籍の奥書等の書き込みによってしか判断できないため、ここでは取り敢えず初版の年代に従った。写本の場合は、写本の作成日時を奥書に記している場合が多かったので、そこに記載された年代に従って分類した。写本年代が書かれていないものは年未詳として処理したが、字体や使用されている紙の状況から大部分が江戸時代のものと思われる。
多摩市域の場合、刊本は半分以上が明治以降に出版されたものである。これに対して写本は近世のものが半分以上を占める。江戸時代には写本の作成が読書の方法であり、書籍の入手方法であったことが窺われる。これに対して明治以降、教育制度の整備等によって書籍が入手しやすい状況になったと言えよう。
各家に残された書籍を分野別に集計したものが表6―30である。刊本は全体の約六一パーセントが明治以降に発行されたものである。さらにこのうち約三七パーセントが教科書・学習参考書である。このほか、明治以降に発行されたものが多い分野としては政治・法律・地誌などがあげられる。
近世に出版された書籍は読本・実録・往来物・中国古典(原書および日本において出版された漢籍)が多い。出版年代からみると、延宝五年(一六七七)の『徒然草諺解』(富澤政宏家伝来文書)がもっとも古く、ほとんどが享保期以降に出版されたものである。