その他に諸宗派の末寺・門徒に属さない小堂舎として以下の四つがあった。
【阿弥陀堂】乞田村字長山にあった三間四方の堂で、除地が一反九畝一〇歩あった。
【観音堂】乞田村字大貝戸にあった六尺四方の堂舎。除地五畝余。聖観音が安置されていた。この本尊は天文十三年(一五四四)の銘を持つもので、現在吉祥院に安置されている。おそらく明治初年寺院整理の段階で観音堂は廃され、本尊のみ吉祥院へ移されたのであろう。文政十三年(一八三〇)に乞田村で屋根の葺き替えをした記録が残されている(有山昭夫家伝来文書202)。
【観音堂】原関戸にあった堂舎。十一面観音の銅像が安置されていた。
【地蔵堂】上和田村字池田にあり、高蔵院持ちの堂舎。もとは愛宕山にあったもので、本尊は勝軍地蔵。