図1―2―3 多摩の柿(禅寺丸)
品目 | 生産量 | 備考 |
米 | 304石4斗 | |
うち | 117石6斗6升 | 貢納 |
186石8斗 | 自用費消 | |
71石4斗 | 他国輸出 | |
大麦 | 263石2斗 | |
小麦 | 56石4斗 | |
大豆 | 30石 | |
小豆 | 7石 | |
粟 | 30石 | |
稗 | 30石 | |
蕎麦 | 15石 | |
胡麻 | 2石 | |
菜種 | 5石 | |
家禽 | 120羽 | |
桑 | 300駄 | |
うち | 220駄 | 自用費消 |
80駄 | 他国輸出 | |
茶 | 40斤 | |
繭 | 48貫目 | |
生糸 | 5貫目 | |
柿 | 80駄 | |
品目 | 生産量 | 生産額 |
円 銭 | ||
米 | 250石 | 1128.90 |
大麦 | 150石 | 230.17 |
小麦 | 5石 | 17.14 |
上大豆 | 16石 | 71.47 |
下大豆 | 24石 | 100.48 |
小豆 | 5石 | 29.41 |
粟 | 65石 | 144.44 |
稗 | 10石 | 11.11 |
蕎麦 | 5石 | 12.50 |
麺粉 | 35石 | 87.50 |
蕎麦粉 | 15石 | 50.00 |
味噌 | 562貫500目 | 39.38 |
15石 | ||
蘿蔔(大根) | 150駄 | 56.25 |
蕪菜 | 50駄 | 25.00 |
芋 | 100駄 | 70.00 |
薩摩芋 | 150駄 | 90.00 |
茄子 | 20駄 | 20.00 |
菜子(菜種か) | 7石 | 41.17 |
鶏 | 110羽 | 11.00 |
鶏卵 | 1,800個 | 10.80 |
製茶 | 8貫目 | 12.00 |
生糸 | 20貫目 | 600.00 |
熨斗糸 | 4貫目 | 26.67 |
目籠 | 5荷 | 25.00 |
薪 | 1,500駄 | 18.00 |
炭 | 300貫目 | 120.00 |
茅 | 150駄 | 21.45 |
その他 | 39.48 | |
合計 | 3,109.33 |
「資料編三」No.69より作成。 注)収穫額10円未満の品目はその他にまとめた。その品目は以下の通り。 裸麦、大角豆、胡蘿蔔(人参)、牛蒡、胡麻、梅子、栗、藁筵、藁縄、馬(金額不明) |
和田村は生産物が多岐にわたっているが、各品目の生産額の比較からみれば、米が圧倒的に多く、畑で作られる穀物・野菜類をあわせた額を超えている。米以外では生糸が多く、和田村の特色となっている。さらに注目したいのは目籠の生産で、やや年代が離れるとはいえ、表1―2―5でみた第三二区の生産量の四分の一を占め、多摩市域の特産品のひとつとなっている。
こうした農産物ばかりでなく、天然氷を製造販売するという、ユニークな産業が多摩市域に生まれていた。これは多摩氷商会によって行われていたが、くわしいことは明らかではない。その設立年にしても、明治四年(一八七一)という説がある一方(民―266頁)、「富沢日記」には、明治十一年(一八七八)の十月から十二月にかけて、氷製造について村用掛と総代人で協議したり、この件について相談するため、東京から何人かの人物が連光寺村を訪れたりしていて、この時期に設立されたとも考えられる(富沢政宏家文書)。このユニークな産業の実態を知ることができるのは明治時代の後半になってからである。