多摩市域(百草村を含む)の質屋は、明治十三年から十八年の間、金利は各年とも平均すると、一〇円に対する利子は一三銭五厘、一円に対する利子は二銭であった。市域では、質屋は明治十七年に一一軒あったが、翌年には二軒減って九軒になってしまった。また、表1―3―10によれば、この期間、質屋の年間「貸出金」は二二〇〇円から六〇〇〇円近くであったが、この貸出金が最も多かったのは明治十五年であった。「受戻金」は一〇〇〇円から三二〇〇円の間にあったが、常に貸出金が受戻金を上回っていた。とくに、明治十五年と十六年は、貸金と受戻金の差が二二〇〇円以上もあった。貸金の返済ができない「流れ金」は明治十五年から急に増え、十六年には五一一円となったが、十七年から減少していった。
1年間 | 1年間 | 1年間 | ||||
貸出金 | 口数 | 受戻金 | 口数 | 流れ金 | 口数 | |
円 | 円 | 円 | ||||
明治13年 | 3427 | 2113 | 2632 | 1223 | 83 | 51 |
14年 | 5177 | 2075 | 3237 | 201 | 72 | 49 |
15年 | 5924 | 2274 | 3170 | 1061 | 332 | 168 |
16年 | 4821 | 2843 | 2579 | 1536 | 511 | 364 |
17年 | 3346 | 2305 | 1674 | 1183 | 298 | 241 |
18年 | 2227 | 1498 | 1097 | 1006 | 187 | 76 |