昭和三十五年(一九六〇)十二月十三日に、多摩村は「都知事に対する報告書の形で『合併には基本的に賛成』と回答し」、方針を転換した。多摩村が由木村との合併に賛成する態度に転じたことは、『朝日新聞』で、「昨年あたりまで由木村といっしょに〝絶対反対〟を掲げていた同村としては画期的なこと」と報じられた(『朝日新聞』昭和三十五年十二月二十九日付)。
この方針転換について、村長は、昭和三十六年五月十五日刊行の『多摩村広報』創刊号で「予てより東京都よりの勧告がありましたので、本村では昨年十二月村議会で全会一致で合併に賛成に決しました。由木村の方では村内の意見が未だ整わないため実現の運びにならない次第です」と説明した。