現在の桜ヶ丘のあたり。山仕事に行く三人連れはヒノキダマとよばれる笠と蓑をつけている。昭和15年ごろのひとこま。
(杉田稔氏撮影)
多摩市は、図1-1からわかるように、市域の形は東西に長いやや菱形状をしており、島嶼部を除いた東京都のほぼ中央南寄りに位置している(東経一三九度二七分、北緯三五度三八分)。しかし、東京都は、西部が山がちの地で人口密度もそれほど大きくないのに対し、東部は江戸の町やその周辺地域として近世以降開発が進み、近代以降もわが国の政治・経済・文化の要の地として人口が集中したので、東部が東京都の中心とみなされている。そのため、地図のうえではともかく、住民の意識としては、多摩市は東京都の西南部に位置する地であるということができよう。
図1-1 多摩市の位置
都心の新宿から京王帝都電鉄と小田急電鉄という二つの私鉄が市域に乗り入れており、新宿から急行で四〇分ほどのところにある。
面積は、二一・〇八平方キロメートルである。
写真1-1 多摩センター駅付近