神奈川県伊勢原市の大山阿夫利(おおやまあふり)神社にかかわる講で、やはり年の暮などに御師が廻ってきた。代参者が出かけるのは講によって春と盆前とがあり、戻ってくると代参者宅を宿にして皆が集まり、そこで神札が講員に配られた。関戸地区の大山講では、代参に出かける際、かつては多摩川で身体を清めてからオミヤと呼ばれる神酒枠(みきわく)二基を一基二人ずつ棒で担いでいき(この中には御幣と徳利が入れてある)、大山阿夫利神社の奥の院までかつぎ登り、帰ってから宿の床の間にこれを据えて講行事(日待ち)をしたという。大山阿夫利神社は水の神なので、定期の代参とは別に、旱天が続くと雨乞いに出かけて神水をもらってき、コウジュウ総出でそれを川の源や田畑などにまいて降雨を祈ったこともあるという。