榛名講

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群馬県西部にある榛名神社にかかわる講で、農作物の豊作を祈願し、特に雹(ひょう)や霜除けを祈ったためにこの講行事はヒョウマツリとも称された。例えば、東寺方地区には全体で一つの榛名講が組織されており、四月八日ごろに講員二人が代参に出発し、榛名神社に参拝したあと御師宅(戦後は伊香保温泉の旅館が多くなった)に一泊して戻った。戻ると、都合のよい日に代参に出かけた人の家に皆が集まり、お日待ちといって講行事をした。その際、当番の家では籠を背負って講員宅を廻り、米三合ほどを集め、それを費用にして酒食をととのえた。この日待ちの席で榛名神社の神札が配られたが、この席では農作物に関する話題や世間話に花が咲き、また、くじをひいて翌年の代参者を決めた。なお、各家に配られたのとは別の神札を、杉の葉で包んで東寺方地区内三か所に立てたという。