誕生直後のこの慣行には、ナヅケオヤ(名付親)があった。昭和戦前期までは、地主や財産家など村落内の有力者に子どもの名前をつけてもらうことがしばしばあったという。この名前をつけた人がナヅケオヤで、その子の後見人となってあれこれ面倒をみることがあった。
生まれた子どもがあまり丈夫でないと、ジョウグチにいったん捨てるようにし、あらかじめ依頼しておいた身体の丈夫な人に拾ってもらうことがあった。すなわち拾い親であるが、これが市域では何と呼ばれていたか確かではない。
誕生直後には、このほかにも幾種類かの仮親があったかと思われるが、詳細は明らかではない。