同じ集合住宅であるとはいえ、ニュータウン内の各住宅には、住宅・都市整備公団や東京都住宅供給公社から分譲された住宅と、住宅・都市整備公団や東京都住宅供給公社それに東京都から賃貸を受けている住宅とがある。
前者の分譲住宅の場合には、法律の定めにより、建物(棟)単位か、あるいは同じ時に同じ方式で分譲された隣接する幾棟かの建物単位で、建物(敷地を含む)の管理組合の結成が義務づけられている。そして、この管理組合が事実上の住民組織としての自治会の機能を持っているのである。後者の賃貸住宅の場合には、住宅の管理は公社とか都が行うので、それを借りている居住者同士の自治会が結成されることになる。ただ賃貸の場合には、居住者の交替が多く、組織としての統制をはかるのに役員は苦労しているようである。分譲・賃貸にかかわらず、ニュータウン内の住民自治組織は、入居時期とはほぼ同時に結成されている。
写真2-35 多摩ニュータウンの一部