会員世帯数の多い少ないによって若干異なるとはいえ、自治会の中はいくつかの組または班(地区やブロックと称す例もある)に分けられている。組や班は、一戸建住宅を中心とした自治会では適当な数を家並単位で決め、集合住宅の自治会では棟とか階段が単位になっていることが多い。しかし、自治会の規模の大小にかかわらず、組や班単位で活動することは、もしあれば不祝儀の手伝いぐらいで、そのほかはほとんどなく、あくまでも一自治会が活動の単位となる。組や班は役員の選出母体になったり、各種のいわゆるお知らせの配付など諸連絡の単位として機能しているだけである。既存地域で昭和三十年代まで続いていた区とか部落会の下位単位としてのコウジュウ(講中)に相当する中間の組織は、自治会には存在しておらず、ほとんどの大規模自治会でも自治会の下位単位としていきなり組や班があるだけである。それだけに、組や班の数は多くなっている。
円滑な運営のため、総会と役員会(理事会とも称される)はどの自治会でも開いている。総会は年一回か二回開かれ、役員人事をはじめ、予算・決算、事業内容の大枠について話合われ、承認される。あとの運営の細部については役員会に任されている。役員会はほとんどの自治会で月一回定期的に開催しているが、随時(不定期)開催の自治会もある。三〇〇〇余世帯の会員を擁する永山団地自治会のように、役員会(定員一八名)と運営委員会(役員一八名と、全体を三二ブロックに分けた各ブロック代表が出席)を月に各一回ずつ開催して意思の疎通をはかっている例もある。住宅管理組合の場合には役員会は理事会とよばれることが多いが、建物と敷地という大きな共有財産の管理にあたるため、別に評議委員会も設けられている。
会則はほとんどすべての自治会で定められている。この点、長年の慣行を基準にしていた昭和三十年代までの区や部落会の運営とは異なっている。会報を発行している自治会は約半数にのぼり、回数は月一回か二か月に一回というのが多い。