畔付(くろつ)けは湿田と乾田では手順が異なっていた。ドブッ田では田全体をうなってから畔付けしたが、乾田では、畔付けしてから田を起こしていた。四月の上旬に畔の草刈りから始める。次にクロッカワムキ(畔皮剥き)あるいは畔削りといって、前年の畔の表面を手鍬(てくわ)で剥(は)ぐ。この後、新たな畔を付ける。畔に沿って田を三本鍬で起こして細かく崩し、水で壁土のようにこねる。この土を手鍬で畔の上へ引き上げ、手で擦り付けて平らに均(なら)す。その上を水をかけながら手鍬の裏で叩き締め、鍬で均して仕上げる。
〈畔付け〉