目次
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民俗編
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第三章 環境と生産
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第二節 雑木林と谷戸の生活
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1 谷戸田の稲作
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摘田の稲作慣行
〈花掛け水・稗取り〉
158 ~ 158
八月末から九月初めに穂が出て花が咲き始めると田へ水を充分に入れ、穂が垂れ始めると水を落とす。この頃になると、稗も穂を出し始めるので、実をこぼす前に刈り取った。稗は田の草や塗り干しで根から抜き取ってはいるが、取り残しの稗が穂を出すので鎌で刈り取ったのである。