目籠作りの技術

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目籠を作るためには必要な材料や道具の調達、材料の調整、編組技術の習得が基本として必要であり、第二次大戦までは多くの家々が携わっていたから、一定の手順や方法が形作られていた。具体的に見ていくために落合在住の伝承者の仕事の様子や話をもとに、ジョウメズという丁寧な作りの目籠の手順を示していく。ジョウメズは細巾で厚さの薄いヘネ(ヒゴのこと)を用いて、編目の大きさを細かく仕上げた、上物の籠である。オヤ、ナカ、コと呼ぶ大中小の三つを一揃いとして作った。一般の家庭の台所用、あるいは料理屋での料理盛り用として使われた。

写真3-8 日なたでのメカイ作り

 籠の種類に関わらず目籠の部分的な呼び名は図3-14に示したとおりである。

図3-14 メカイの部分名

 最初に編まれるのは底面の部分でシキ又はソコと呼ばれ、これを構成するヘネをタテジノと呼ぶ。側面はカラダまたはドウと呼ばれ、ここではシキから立ち上がったタテジノと水平方向のヘネによって編み目が作られる。水平方向のヘネはマワシダケと呼ばれる。縁はフチでその外側と内側をソトブチ、ウチブチと呼ぶ。この基本的な形にさらに補強用の竹がつき、シキの六角の頂点に差し込む三本の竹をスジ、シキとドウとの境目に竹を回してフチマキのように絡げたものをケツマキまたはシリカガリと呼ぶ。