生産量

186 ~ 186
図3-23は昭和十一年から南多摩郡での炭の生産量を示すグラフである。第二次大戦までが圧倒的に多く、以後昭和二十九年にわずかにピークがあるものの、戦前の生産量には及ばない。明治四十四年度の多摩村の産物を示した資料から出荷品とその比率をみると生糸、木炭、目籠、米が主要な四品であり、全体の七八パーセントを占めている(表3-11)。現金収入の主なものが春から秋にかけての養蚕と水田、そして冬の期間副業としての炭焼きと目籠作りであったことがわかる。このように木炭作りは雑木林の木材を利用した冬の大切な副業であった。初冬、雑木の葉が落ち始めると炭焼きの仕事に入り、木が水を吸い上げ始める三月末まで続けた。

図3-23 南多摩郡の製炭量の変遷(東京都林務課資料による)

表3-11 明治44年の多摩村からの移出品
品目 生糸 木炭 大麦 小麦 練糸 目籠
数量 1000 290000 300000 195000 1200 1250 600 45000 400 400 700 700000
価額 53500 29000 6000 975 19200 7500 6000 9000 240 800 4900 21000 157915
移出額構成比 33.88 18.36 3.80 0.62 12.16 4.75 3.80 5.70 0.15 0.51 3.10 13.30 100
仕向先 横浜 八王子町 府中町 八王子町 東京
(『東京府南多摩郡農会史』より作成)