原料

186 ~ 187
木炭の原料にする木は樫(かし)・楢(なら)・櫟(くぬぎ)がよかった。これらの木は堅く、カタギと呼ばれ、その炭はカタズミ(堅炭)と呼ばれた。他に栗・欅(けやき)・桜・エゴノキなども炭にしたがそれはゾウタン(雑炭)とかザクと呼ばれあまり良い炭ではなかった。樫の炭は楢マルと呼ばれ火持ちがよくて火の粉が跳ねないので最も良い炭といわれた。楢の炭も良いが火力が少し弱い。櫟の炭は桜炭と呼ばれ、火持ちがよく良い炭だったが、跳ねる欠点があり蚕室の暖房や蚕糸の乾燥用には使えなかった。