ヒバ扱き・フジッパ扱き

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田へ入れる緑肥に山林の樹木の新芽や若葉も使われていた。共有地の桧の新芽や若葉をヒバと呼び、それを扱き取ることをヒバコキという。藤の若葉も使われ、その葉を扱き取ることをフジッパコキという。五月ころに婦人たち三、四人連れだって山へ入り、若葉を扱いてクズハキ籠に入れて背負ってくる。家へ運ぶと庭へ広げて半日ほど干して、萎(しお)れさせてから田へ入れていた。