屋根の形には千鳥破風(はふ)、破風なし、兜造りなどがあった。千鳥破風は棟の両端に小さな三角形の通気口がついたもので、この三角形を破風といった。破風なしは三角の通気口がない形で一般的に寄棟と呼ばれる形である。兜造りは養蚕を二、三階を使ってやることから通風、採光を考慮して南面の屋根を切り上げたために出来上がった形である。勾配は水平方向に十寸とった場合の高さ方向の数値で示すが、急な場合で十寸勾配(カネ勾配といった)、緩い場合で九寸から八寸勾配であった。多摩市域から日野市域にかけては千鳥破風が多く、稲城市域の方では破風なしが多かった。