〈屋根葺きの道具〉

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道具ははさみ、こて、腰鉈の三種類で、これを風呂敷とか袋に入れて運んだ。仕事にいくときは電車に乗っていく場合もあったので、できるだけコンパクトにし、はさみは柄の釘をぬいて柄を別にして持ち運び、こても持っていくのは先だけで、柄のところは現場でつくって差し込んで使った。
 腰鉈は刃先から柄の末までが定規になっており、一尺と一尺五寸のものを持っている。はさみはハマグリというのとナガテという二本を使い分けた。普通は柄は朴の木でつくり、長さは一尺五寸といわれた。一尺五寸は柄の取り付け部分を握って肘までの長さといわれていた。

写真3-34 屋根葺きの道具