1 服装の変遷

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 衣服は、日常の生活で身につけている普段着と特別な日に身につける晴れ着とに分けることができる。普段着のうち、田畑や山で働くときの衣服をノラギ(野良着)とよぶ。多摩市域では、昭和の初めころまでは、日常、洋服を着る人は少なく、多くの人は着物で生活をしていた。女性の場合、普段着もノラギも着物であって、形の上では両者の区別はつかないが、男性のノラギは、上半衣はハンテン、下半衣はモモヒキというように、上下別々であって、普段着とは形態が違っていた。

写真4-10 昭和15年ごろのノラギ