男性の髪型は、昭和二十年ころまでは、ボウズが多かったが、次第に髪を伸ばす人が増えた。女性は、大正時代では、娘は桃割れや銀杏(いちょう)返しに結った。婚礼には島田に結い、その後は丸髷(まげ)にした。忙しいときには、丸まげではなく、ヒッツメにした。
女性が髪を洗うのは何日かに一度であった。うどんや蕎麦(そば)を茹(ゆ)でた汁が洗髪によいといい、うどんを茹でたときに、子どもの髪を洗ってやったともいう。日常、化粧をすることはほとんどなかった。明治末年あたりまで、お歯黒をしている女性がいたが、高齢の人であった。