子どもの服装

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大正のころの子どもたちは、ウチオリとよばれた手織りの木綿の着物にサンジャクをしめ、藁草履(ぞうり)で学校へ行ったという。写真4-18は、大正五年六月のものである。どのような事情で写したものかはわからないが、女子が前掛けをしているところからみて、入学や卒業の記念写真ではないようである。子どもたちは全員が着物であり、その着物は、無地、縞、絣(かすり)などのウチオリである。女子の髪型は、タケナガを使って結った煙草盆(たばこぼん)とよばれる形である。大正のころは、このような煙草盆や桃割れに髪を結うことが多かったが、裕福な家庭の子どもなどは、髪をお下げにし、大きなリボンで結ぶこともあった。昭和になると、お下げやおかっぱの形にする子どもが多くなった。昭和九年の記念写真(写真4-12)では、女児はお下げとおかっぱがほぼ半々であるが、昭和二十年の写真(写真4-13)では全員がおかっぱになっている。

写真4-18 子どもの服装(大正5年)