藁草履の製作

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藁草履もアシナカも、はじめに縄をなうところから始まる。縄は、足をのせる台の芯にするものであって、長さは一尋(ひろ)にした。一尋は、両手を伸ばして指先から指先までの長さをいい、およそ一・八メートルになる。また、できあがりの草履の幅は、握りこぶしを作ったときの指四本分を目安にした(図4-9参照)。以下、作り方は次の通りである。

図4-9 藁草履の作り方

① 芯になる縄を図のように交差させる。縄を固定するのには、草履作り専用の台を使うこともあるが、自分の足の指にかけることもある。手元にくる二本の縄をヒキナワとよび、ヒキナワを平行にする。

② はじめは、布を巻き付け、次に藁を縄の間を交互に入れる。藁はモトとよばれる根元の方から入れる。藁を足すときには、中央の縄の間に裏側から足す。右手で藁を入れ、入れるたびに、左手できつく締める。

③ 鼻緒にする短い縄を両端から編み込み、さらに、横に藁を入れて続けて編む。

④ 最後に、ヒキナワを手前に引いて形を整え、ヒキナワは短く切って裏で結ぶ。竹をとがらせたものを針にし、鼻緒を結ぶ布を草履に刺し、鼻緒をすげる。最後に表面のケバを藁をまるめたものなどでこするときれいになる。


写真4-27 アシナカ


写真4-28 藁草履


写真4-29 草鞋


図4-12 草鞋のはき方


図4-13 履物のいろいろ