ふだん履く下駄には、足駄(あしだ)や駒下駄(こまげた)があった。下駄の歯がすり減ると歯だけ交換して履いた。一か月に一度くらいの割合で下駄の歯を入れる職人が回ってきたという。
昭和の初めころは、洋服を着る人が少なかったため、皮靴を履く人は限られていた。しかし、底にゴムをはった布製の靴はゴム靴とよばれ、昭和の初めころから通学のために子どもに与える家も増えてきた。ゴム靴も修理屋が各家を回り、ゴムを溶かして靴底を修理したという。
白地の足袋は婚礼などの晴れの日に履き、ふだんは色物の足袋を用いた。戸外の作業にオカタビを履くこともあった。オカタビは、普通の足袋よりもコハゼの数が多く、足首の上までを覆う。昭和の初めころからは、地下足袋も普及してきた。