野菜を茹でるときには、釜や鍋を使う。うどんや蕎麦を大量に茹でるときには釜を使うことが多かった。団子や饅頭も蒸かさずに茹でて作ることもあった。このような粉をねったものを茹でるときには、くっつきやすいので、大量の湯を沸かし、箸でまぜながら茹でた。茹であがると、ソバスクイなどとよばれていた持ち手のついた笊で揚げた。うどんの茹で汁は、馬に飲ませたりして無駄にすることはなかった。髪を洗うのに茹で汁がよいともいい、うどんを作った日には、茹で汁が冷たくならないうちに、子どもの髪を洗ったりしたという。
釜で茹でる