写真4-49 石臼と木の台
図4-21 石臼の目
粉をひくのに、上にあいている穴に穀物を入れて臼を回すが、一度にたくさんの穀物を入れてしまうと、臼が浮いてしまうので細かくならない。数粒ずつをゆっくりと入れるのがこつであり、おばあさんが粒を入れ、孫たちが二人ひと組になって臼を回すことがよくあった。単純な作業であって時間がかかるため、その時、おばあさんは孫たちが退屈しないように昔話を聞かせることもあった。石臼ひきは「臼をひくときゃ眠り目でひきゃる 団子食うときゃ猿まなこ」といわれた。石臼が楽にひけるように、挽き木を長い竹竿を使い、天井から吊す家もあった。
図4-20 石臼の挽き木を天井から吊す